囚われ姫と金と銀の王子
・・・それから、半年後。
私は真っ白なドレスを着て、大聖堂の真ん中に引かれた赤い絨毯を、アレックスと共に歩いている。
前のように城の侍従達しかいない殺風景なものではなく、国内外から招待された沢山の貴族達が、静かに私達の歩く姿を見つめていた。
厳かな雰囲気の中、神へと誓いを立てる。
互いの指に証である指輪を嵌め、そして唇を重ねた。
大聖堂中に響く、拍手と祝福の声。
その中で殿下は私を見つめて、微笑む。
そして、こう言った。
「これからが本番だな。・・・絶対に好きと言わせてみせる」
優しい笑みとは裏腹に、その言葉は宣戦布告ともとれる力強い言葉。
私もまたふっと笑って、こう返した。
「せいぜい頑張って、アレックス。・・・楽しみにしているわね」