囚われ姫と金と銀の王子
「・・・アレックス殿。汝いかなる時も妻、ソフィアを愛し通すと神に誓うか?」

「―――はい」

横にいる殿下は、そりゃあもう爽やかな笑みを浮かべてそう返事をする。


・・・こんの嘘つきめ!

さっき愛はないって言ったじゃないの!!


「・・・ソフィア殿。汝いかなる時も夫、アレックスを愛し通すと誓うか?」

「ち、誓う訳ないでしょ!?」


ついまた声を荒げて、神父にそう言い放ってしまう。

驚いた表情を浮かべる神父だったが、隣の殿下は声を押し殺して笑っていた。


「くくっ・・・申し訳ない、神父。どうやら恥ずかしがっているようです。本意ではないかと」

「ちょ・・・!」


殿下はそう言ったあと神父にさっさと進めろ、と言ったように目を動かし、神父は咳ばらいをひとつすると、後ろの十字架にその言葉を伝えた。

そしてまた祈りの言葉を捧げると、私達に身体を向ける。



「・・・これで二人の誓いは立てられた。晴れてそなた達は夫婦になられた。・・・おめでとう」


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