囚われ姫と金と銀の王子
「・・・は?」


「そういえば言ってなかったな。私には他にも3人の妻がいる。国王になるまでの間、君を含めてその4人とそれぞれ夫婦として生活し、国王になると同時にその中から気に入った者を、正妃として迎える事になっているんだ」

常軌を逸した話の内容に、私は目が点になってしまう。

な・・・なんですかそれ・・・。
つまり、それってつまり。


「こ、婚約者みたいなもの?」

「簡単に言えばな」


私は頭を抱えた。

国が違うだけで、こんなに風習も違うとは。
って、なんで私がこの男の婚約者になっちゃってんのよ!


「まあ、安心しろ。選ばれなければ公爵以上の貴族の家に下賜として嫁ぐ事も出来るし、あちらが望まなければ修道院行きだ。お前の場合、欲しがるような物好きは誰もいないだろうから、きっと修道院行きだな。それでも死ぬよりはいいだろう?」


・・・絶対に選ばれない前提で話されてますけど。

その前にこっちからお断りですけどね!!


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