囚われ姫と金と銀の王子
部屋に残されたのは私とナディの二人だけとなった。
何とも気まずい雰囲気が流れる。
「改めて、これからよろしくね、ナディ」
「はあ・・・」
顔に思いっきり「嫌」って出てるわよ。
ここまでわかりやすい人もなかなかいないわ・・・。
「私の侍女をするのは嫌なのはわかるけど。大丈夫よ、必要最低限の事しか頼まないから、そんなに思い詰めないで、気楽にやりましょう」
無理矢理笑顔を作って、そう下手に出る。
色々と揉めるのも面倒臭いし、ここは穏便に済まそう。
「せっかくあの我儘ナザリア様から逃れられて、念願のエリス様の侍女になれると思って喜んでいたら、まさかのソフィア様なんですもの。気が進まないのも無理ありませんわ」
そう言ってナディは大きくため息を付く。
この人顔にもハッキリと出るけど、口からもキッパリと出ちゃう人なのね。
さり気なーく悪口入っちゃってますけど・・・。