囚われ姫と金と銀の王子

「ナザリア様って?」

「ええ、私は元々第2夫人のナザリア様の侍女だったのです。ナザリア様はもうとにかく我儘で高飛車で・・・。侍女を奴隷のように使うものですから心底疲れ果ててしまって、殿下に配置転換を失礼ながらもお願いしていたんですよ、第一夫人のエリス様の侍女になりたいと希望を付け添えて。・・・それなのに」


そう言ってナディは涙を流してすんすん、と鼻をすする。

多分、私の侍女になったのもその口が災い。
この侍女も何かと問題のある人間だ、と思う。


「ああ・・・そうなの。ごめんなさいね、付いたのが私で。でも大丈夫よ、自分で出来る事は全部やるから、あなたの仕事を優先してもらって構わないわ。もしどうしてもって言うなら、私から殿下に変えてもらうように言ってあげてもいいけれど」

「それはいけません!私ソフィア様の侍女でなくなったら、クビになってしまうんです!だから、嫌でもなんでもやるしかないんですっ!!」


私の侍女って左遷場所かい・・・。


けど。

いくら問題のある人だとはいっても、仕事がなくなって路頭に迷っちゃうのも可哀想だし・・・。
私もそこまで鬼畜ではないしね・・・。


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