囚われ姫と金と銀の王子

「じゃあ嫌でもやるしかないわね。あなたが仕事をしやすいように心掛けるから、楽しくやりましょう。正直ね、私だって好きでここにいる訳じゃないのよ。無理矢理結婚させられたっていうか・・・」

「そ、そうなのですか?」

「・・・ええ。私が処刑される予定だったのは知っているでしょう?」

「は、はい。でも、ソフィア様が殿下の足元に縋り、死にたくない助けてくれと泣きわめいて恩赦を乞うて、殿下が仕方なくこのような方法でソフィア様をお助けになられたと、この城の中では噂されていて。ですから私はてっきり・・・」


・・・なにそのでたらめ・・・。
誰よ、そんな嘘を流しているのは・・・。


「私そんなにこの世に未練なんてないわよ。むしろ早く処刑されればいいと思っていたくらいなのに。本当、噂ってのは・・・」


その話を聞き、この城での生活は息苦しいものになる、と分かった。


城の中の人間に、私の味方は誰もいない。

この城の人間は、私を「死すら受け入れる事の出来ない腰抜け王女」だと思って接してくる事だろう。


それが言葉となってくるのか。
行動となってくるのか。


常に私は気を引き締めながら、ここでの生活をしていかなきゃいけないって事なのね。



・・・ああもう。

先行き不安過ぎて、胃が痛くなりそう。


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