囚われ姫と金と銀の王子
ナディが着替えを持って戻ってくると、今となっては何で着せられたのかよく分からないウェディングドレスを脱ぎ、代えのドレスに身を包む。

重いネックレスも髪飾りも外し、ガチガチに纏められていた髪の毛も少し緩く纏める。

ベタベタに塗られた化粧も一旦落として、薄く化粧をし直した。

お陰で、重い鎧を外したみたいにとても身体が軽くなった。


「はあ~・・・すんごい久しぶりのコルセットだったから、あちこち身体痛いわ・・・」

「お疲れ様でした。・・・と言いたいところですが、この後、殿下の奥様達と一緒にお食事する事になっておりますので、まだお休みすることは出来ません。もう少し頑張ってください」

「ええ~!?なにそれ・・・」

「紹介がてらのお食事なのでしょう。正妃候補の最有力と噂される第一夫人、ヴェルナル公爵家のエリス様、第二夫人アーサル侯爵家のナザリア様、第三夫人ドートス侯爵家のマリリン様。この3人がご出席されるかと」


みんないい家柄の出身の方々ばかり。


アレなのよね。
身分が高いほど陰険で、面倒臭い人達ばかりなのよねぇ・・・。


あのバカ親父の愛人もそうだった。

もう高飛車で、気が強くて、プライド高くて。

王女である私にでさえ、喧嘩売ってくるような奴だったもの。



他の夫人達も、絶対一筋縄ではいかない人達ばかりなはずだ。

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