囚われ姫と金と銀の王子
「では私から紹介しよう、私の左は第一夫人のエリス、右は第二夫人のナザリア、そしてナザリアの隣は第三夫人のマリリンだ。これから仲良くしていってくれ」

「これからよろしくお願いしますわ、ソフィア様」

「よろしく」

「・・・よろしくお願いします」


それぞれが私に、気持ちの全く篭っていない挨拶を返す。
私はそれに軽く頭を下げて返した。


「さ、では楽しい食事会を始めようか」


殿下は手を軽く上にあげ、パンパンと2回叩くと、侍女達がワインを持ちそれぞれのグラスに注ぎ始めた。

トクトク、とワインが注がれる音が部屋内に響く。


よく見ると私のだけ、ボトルのラベルが違う。

あちらはいかにも高そうなボトルのラベルに対し、私のラベルは陳腐極まりない。

明らかに安いワインだ。


ここでも軽い差別を受ける。

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