囚われ姫と金と銀の王子
殿下達はワインを飲みながら話に盛り上がっている。
お互いにボディタッチは当たり前、それぞれの耳元に口を寄せてなにやら内緒話をしたり、なんだか楽しそうに懇談している。
もちろんその間も私は蚊帳の外で。
そんな光景を横目で見ながら、ただひたすらにお腹の中に食べ物を入れていた。
「ソフィア、楽しんでいるか?」
「・・・」
明らかに楽しくないのは目に見えて分かるはずなのに、わざと聞いてくる。
口に物が入っているのもあるけれど、その問いに対して「はい」と言うのが妙に悔しくて、何も返せず目線を下に逸らした。
その時。
「―――卑しい国の卑しい女は、食事会のマナーも知らないのですね」
・・・そう、私の耳に入った。