囚われ姫と金と銀の王子

昔の事を思い出したら、ムカムカ腹が立ってきて、目の前にある空になった皿をひっくり返したい衝動に駆られた。


けれど、皿には罪はない。

ここはグッと我慢して、殿下達に向かって満面の笑みを無理矢理作って見せた。


そして、こう言い放った。


「ごめんなさいね。卑しい国の王女でしたもの、マナーなど持ち合わせている訳ないじゃないですか」



ええ、そうよ。

・・・いわゆる開き直りってやつよ。


こういう時に、カッとなって言ってしまってはあちらの思う壺。

ここはあくまで冷静に、余裕を持って。




とことん開き直ってやろうじゃないの!!


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