囚われ姫と金と銀の王子
私のその態度に夫人達は我慢できなくなったのか、ギャーギャー言っていたけど、気にせずに部屋を出た。

その間も殿下は表情を一切変えず、少し笑みを浮かべて私を見ていたのは、少し気になったけれど。


まあ取りあえず、自己紹介は済んだし。

食べる物も食べて、お腹いっぱいだし。


殿下と仲良くするつもりもないし、後は私には関係のない事だ。



廊下ではナディが待機していて、予想以上に早く出てきた事に驚いていた。


「ず、随分と早くないですか・・・?」

「え?だって私の食事は終わったもの。さ、部屋へ帰りましょう、私もうヘトヘト。少し横になるわ」



困惑しているナディをよそに、私は少しすがすがしい気持ちで部屋へと戻ったのだった。
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