囚われ姫と金と銀の王子
初夜での、攻防
―――夜。
あの後、すっかり疲れ切っていた私は部屋に帰ってくるなり、寝台に横になってそのまま寝てしまっていた。
ふかふか布団のお陰もあって、それはもういい夢ばかり見ていた気がする。
気付いたら真っ暗。
ナディも自室へ戻ったのか部屋にはおらず、部屋には私ひとりだった。
「私、どのくらい寝ていたのかしら・・・」
ふああ、とあくびをしながら寝台から起き上がり、ランプに明かりを灯した。
ぼう、とゆっくり部屋が明るくなる。
とりあえずさっぱりしよう、と私は湯あみへと向かった。
湯は大分冷めていたけど、井戸水で洗っていたのを思えば何倍も温かい。
勢いよく頭から被って、身を清める。
・・・気持ちいい。
今日の嫌な事が全て洗い流されていくみたい。
ぬるい湯に浸かりながら、一息ついた。