囚われ姫と金と銀の王子
「お前はそんなに私と話をするのが嫌か。こんなに私がお願いしているのに、お前は会ってはくれないのか」


「正直に言いますと、顔も見たくありませんし話をする気にもなりません。あなた達は私に対して夕飯時、毎日のように見下した目で私を見て、そして差別をしている。目に見えた嫌がらせをしている人と、どうして話したいと思いますか?」


その問いに対し、扉の向こうの殿下は何も答えない。

その勢いでさらに私は話を続ける。


「でも私はこの国に攻めた愚国の王女、この国の人達にとっては憎き相手。そう周りから蔑まれるのは仕方のない事と思っています。だから、そのくらいの差別や嫌がらせは甘んじて受けようと思っています。私と結婚したのもそれが理由でしょう?殺すよりもこの国の中で蔑まれながら生きていく私を見て楽しみたいだけでしょう?」


そう言い終えた瞬間に、がちゃりと鍵の回る音がした。



しまった、鍵を持って・・・!



咄嗟に扉に体重をかけたが、時すでに遅し、その扉は殿下によって開けられる。


開けられた勢いで、私は後ろへよろけて転びそうになった。


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