囚われ姫と金と銀の王子
「・・・やはり、君はとても魅力的な女だ。私の心を一瞬で惹きつける、その強さがソフィアにはある」
「は・・・?」
「普通ならその場で泣いてもおかしくはない差別や嫌がらせを、君は気にせずに跳ねのけるその根性、とてもたまらない」
「な、何を言って・・・」
金色の瞳が情熱的に私を見つめていた。
殿下の言葉に、私の額からたらりと嫌な汗が流れる。
「ソフィア、結婚式の後に君に言った言葉を撤回してもいいか?」
結婚式の後に言った言葉・・・?
記憶を手繰り寄せ、その言葉を思い出す。
が、どの言葉を撤回したいのか分からず混乱する。
「な、何の言葉・・・?」
「君は修道院に行くだろう、と言ったはずだ。私は確かにあの時、君を正妃にするつもりは全くなかった。だが、その気持ちが変わった。私はソフィアを修道院に行かせるつもりも、他の男の元へ下賜するつもりもなくなった」
髪に隠れた銀色の瞳をわざと私に見せつけるように、手で髪を横に流す。
現れたその瞳が怪しく光る。
ぞくり、と背筋が凍りそうになった。
「私はお前を正妃にする事に決めた。何が何でもお前の気持ちを振り向かせる・・・早く私のものになれ、ソフィア」