囚われ姫と金と銀の王子
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「アデル、例の王女はどうしている?」
この国の騎士団長であるアデルに、そう聞いた。
あの女が囚われて半年。
その間に何かしらの病気になるか、囚われた事による心的なもので衰弱していると思っていた。
仮にも王族の人間だった者。
あんな過酷な場所で、普通に生きていられる訳がない。
ところがアデルの返答に私は驚愕する。
「一日の大半をベッドの呆けて過ごしてはおりますが、食欲もあり睡眠も起こされるまで寝ておりますし、健康上何の問題もございません」
「・・・泣きはらしたり、事に後悔して病んでいる様子は?」
「そのような場面を誰も見た者は誰も・・・。たまに呆けながら何か面白い事を思い出すのか、はたまた妄想に更け楽しくなるのか、ニヤ付く事はあるようですが・・・」
あのような場所で平然と生活しているという事に愕然とした。
・・・まさか。
国の王女があんな環境でも、何も感じずに過ごす事が出来るだと・・・!?