囚われ姫と金と銀の王子
「・・・いかにも、私がその「金と銀の王子」と呼ばれるアレックスだが。君は、礼儀と言うものを知らないのか?」
それに対して女は慌てて私に一礼をする。
私はそんな女に畳みかけるように、言葉を吐いた。
「さて、私がわざわざここに来たという事は、お前はもう分かっているな?」
その言葉に女は、少し動揺した面持ちで私を見る。
その顔で、やはりこの女も「死」に対しては恐怖があるのだと思った。
「・・・はい。多分その事が決まったのだろう、と」
「その事とは?」
「私の、処刑の事です」
女自ら、そう言った。
実際はまだ女の処遇は決まってはいない。
だが私は女を試すように、話を合わせる。