囚われ姫と金と銀の王子
その日の夜は明日こそはという思いと、どうせ変わらないだろうという思いが交差したまま、エリスの部屋で過ごす事にした。
「あら、殿下。どうしたのです?顔色が優れないようですが」
「ああ、エリス。少し心落ち着かぬ事があってね」
エリスは定期的に行われる城での夜会で出会った。
公爵令嬢であるエリスは、美貌に加えて知識も貴族としての振る舞いも完璧で、申し分のない女だ。
心から惹かれているという訳ではないが、この国の正妃としては彼女が一番相応しいと思っている。
私には他にも妻がいるが、それはその妻達の両親である侯爵達にお願いされて仕方なく妻に娶っただけ。
侯爵達には思惑があって、仮に自分の娘が正妃にならなくても、その後いい位の貴族の元へ下賜され嫁ぐ事が出来る。
そうすれば身分の高い家との繋がりが出来る。
侯爵達はそれを狙っていた。
だから私に頭を下げ、第二、第三夫人としてこの城で生活しているのだ。
だが彼女達はその事を知らず、私が見初めたのだと一生懸命正妃にとアピールをしてくるが。
「あら、殿下。どうしたのです?顔色が優れないようですが」
「ああ、エリス。少し心落ち着かぬ事があってね」
エリスは定期的に行われる城での夜会で出会った。
公爵令嬢であるエリスは、美貌に加えて知識も貴族としての振る舞いも完璧で、申し分のない女だ。
心から惹かれているという訳ではないが、この国の正妃としては彼女が一番相応しいと思っている。
私には他にも妻がいるが、それはその妻達の両親である侯爵達にお願いされて仕方なく妻に娶っただけ。
侯爵達には思惑があって、仮に自分の娘が正妃にならなくても、その後いい位の貴族の元へ下賜され嫁ぐ事が出来る。
そうすれば身分の高い家との繋がりが出来る。
侯爵達はそれを狙っていた。
だから私に頭を下げ、第二、第三夫人としてこの城で生活しているのだ。
だが彼女達はその事を知らず、私が見初めたのだと一生懸命正妃にとアピールをしてくるが。