囚われ姫と金と銀の王子
それから私は国王の元へと行き、とある事を願い出る。
国王は私の言葉に、酷く驚いていた。
「お前まさか・・・。正気なのか?あのような国の血を引く女をこの城に迎え入れるなど・・・」
「至って普通ですよ、父上。彼女は「死」というものを恐れてはいない。これでは処刑してもなんの償いにもならない。それならば、生かしておき「死」よりももっと苦なるものを与えるのが良いのかと」
「それをお前の妻として迎える事に、お前は抵抗がないのか?」
「逆に私の妻になった時の彼女がどうなるか、そちらの方が楽しみで仕方がないのですよ。自分の今後がどうなるか不透明な状態で彼女はどう行動するのか、それを考えただけで、武者震いが止まらない」
「・・・お前、相変わらず異常な趣味をしているな」
「父上には言われたくはないですがね」
そして、彼女・・・ソフィアとの結婚の準備が進められた。
部屋は他の妻よりは狭く、質素で日当たりの悪い場所。
侍女も他の妻とトラブルを起こした、問題ありの人間をつけてやろう。
私の妻になったからと言って、同じように扱うつもりはない。
自分よりも身分の下の人間達に蔑まれながら、これから過ごしていけばいい。
そして私が国王に即位した時、その時は修道院なりどこなり、好きな場所へと解放してやろう。
王女だった人間が、その生活に耐えられるのかな?
・・・ああ、とても見物だ。