大好きな君へ〜私はもう大丈夫だよ〜
音楽に集中していると、ふいに後ろから肩を叩かれる。
ヘッドホンを外さずに振り返ると、そこには見たことのない男がいた。
更にその隣にも同じように見たことのない男がいた。
肩を触られたと理解すると同時に、私の体が震え出した。
しかし、この音楽を聴いていることで少し震えが和らいだ。
その男たちの方を振り向いたのに気づいてか、隆守が近くに来て男たちに何かを言っていた。
私の頭に手を置きながら。
隆守は少しの間、男たちと話したあと、自分の耳を指した。
これは、ヘッドホンを外せという合図である。
しかし、男に触れられた感覚がまだ残っており、首を横に振った。
そうすると隆守が私を抱き上げた。
私は隆守の首に腕を回し、体を預けた。
そのまま私が連れていかれたのは理事長室だった。
私がこの状態になるといつも連れてこられる場所である。