不器用な彼女と車イス
1章
小日向美琴。
美琴もやっと高校生。
小学校は最初こそ車イスをからかわれたものの、みんな優しかった。
中学校は不登校。
学校に行くのが怖くなってしまった。
でも、高校は頑張る。
友達作って、楽しみたい。
彼氏なんかできっこないんだから
せめて充実したい。
「美琴~!」
幼馴染みの橘由香里が笑顔で駆け寄ってきた。
「由香里!同じクラスだね!」
なんだかホッとした。
1人でも友達がいるのはいいことだよね。
…視線。
「…あの子車イス…?」
「え、まじ?可哀想…」
クラスからもそんな声がきこえてきた。
美琴は車イスを自分でそっと
動かして、人混みから離れた。
それに気づいた由香里の表情が曇った。
「美琴…あ、あっち行こ!」
「…うん」
由香里…気い遣ってるな~。
優しいんだけど、ちょっぴり辛い。
入学式を終え、美琴と由香里は
教室の入口で話していた。
すると…
同じクラスの男の子がこちらへ向かってきた。
全く知らない人だが、ここを通ろうとしてるのだろうか。
…退かなきゃ。
美琴は車イスをこごうとした。
「どけ、邪魔」
え…。
その男子生徒は冷たい視線で
そう言い放った。
由香里は目を見開いて怒鳴りつけた。
「美琴になんてこと言うの!?あんたこそ邪魔なんじゃないの!?」
「由香里…いいから……私は大丈夫」
すると男子生徒は舌打ちをして
教室の中へ入っていった。
美琴もやっと高校生。
小学校は最初こそ車イスをからかわれたものの、みんな優しかった。
中学校は不登校。
学校に行くのが怖くなってしまった。
でも、高校は頑張る。
友達作って、楽しみたい。
彼氏なんかできっこないんだから
せめて充実したい。
「美琴~!」
幼馴染みの橘由香里が笑顔で駆け寄ってきた。
「由香里!同じクラスだね!」
なんだかホッとした。
1人でも友達がいるのはいいことだよね。
…視線。
「…あの子車イス…?」
「え、まじ?可哀想…」
クラスからもそんな声がきこえてきた。
美琴は車イスを自分でそっと
動かして、人混みから離れた。
それに気づいた由香里の表情が曇った。
「美琴…あ、あっち行こ!」
「…うん」
由香里…気い遣ってるな~。
優しいんだけど、ちょっぴり辛い。
入学式を終え、美琴と由香里は
教室の入口で話していた。
すると…
同じクラスの男の子がこちらへ向かってきた。
全く知らない人だが、ここを通ろうとしてるのだろうか。
…退かなきゃ。
美琴は車イスをこごうとした。
「どけ、邪魔」
え…。
その男子生徒は冷たい視線で
そう言い放った。
由香里は目を見開いて怒鳴りつけた。
「美琴になんてこと言うの!?あんたこそ邪魔なんじゃないの!?」
「由香里…いいから……私は大丈夫」
すると男子生徒は舌打ちをして
教室の中へ入っていった。