a little love.
あたしが告白された日……玲都が好きだと気づいた日は、一人で帰った。


いつもより早足で、赤くなった目を隠すようにして、うつむいて歩いていた。


すると、ケータイが着信音を鳴らした。



「果依……」



確認すると、果依からで。


そっか。ちょうど部活が終わる時間だ。



「もしもし」



普段通りに電話に出たつもりだったけど、果依にはわかってしまうようで。



「うわ、鼻声。何があったの」



いつでもあたしのことを理解してくれる親友の存在に、なんだか安心して、今日の放課後にあったことを話そうと思った。


近くにあった公園のベンチに座り、順を追って説明する。


告白をされてそれを断ったこと。玲都が好きだと気づいたこと。先輩に抱きしめられたこと。


そして、今は一人でいるけど、とっても玲都に会いたいこと。


全て、話した。


そしたらまた涙が出てきて……。



「そっか……。優帆は、やっぱり玲都が好きなんだ」


「うん……」


「じゃあどうして泣いてるの? 辛い?」



辛い……?


何が、辛い?


あたしはまだ、何もしていない。
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