a little love.
「なんでだろ。なんで泣いてるんだろうね……」


「まだ始まったばっかじゃん? 先輩のことをフッた罪悪感かもしれないけど、先輩のおかげで恋に気づけたんじゃん」


「……うん。申し訳ないけど、感謝かな」


「そうだよ! あ。夏休み、倉橋家とキャンプだっけ?」



そうだ。夏休みって、もうすぐ。


楽しみだけど、なんか複雑な気分だ……。



「うん。夏休み入ってすぐ」


「その時気持ちを伝えるのは?」


「えぇ!? 早すぎるよっ」



果依はサバサバしていて、自分でサッと行動できる人だけど、たまに突拍子もないことを言う。



「彼も待ってると思うよ。……じゃあ今日は遅いから切るね。気をつけて帰って」



「う、うん」



待ってる? 彼って、玲都のこと……だよね。


そうだとしたら、玲都があたしの告白を待ってるって……?


どうして……。意味、わからないよ……。


気がつくと、夕方6時になっていた。


急いで公園を出て、少し歩くと家に着いた。


家に入るとママに遅かったね、って言われたけど、曖昧に返してしまった。


あまり頭が回らない。


その日はお風呂に入って、夕飯を少し食べて眠りに就いた。
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