a little love.
幼稚園より前から一緒で、家族ぐるみの付き合いをしている。


今は同じ高校で、近所のあたしの家に毎朝迎えに来てくれる。


子供じゃないんだから一人で行ける、と言っても、危ないからとか二人で行くほうが楽しいだろ、とか。


バカにしてるのか心配してくれてるのかよくわかんない。


でも、毎朝迎えに来てくれるのが、実は少し嬉しかったり。


りんごジャムを塗ったトーストをかじりながらにやけていると、時間がいつもより遅いことに気がついた。


寝坊だったのか……。


最後の一口を食べきり、牛乳を飲みほすと、急いで洗面所へ向かった。



「髪伸びたな」



鏡の前でふと思った。


高校に入学した日、伸ばしてパーマをかけてみるのもいいな、と思ったんだけど、入学して3か月。校則でパーマ禁止だということを知った。


パーマできないなら伸ばしても意味ないかと思い、週末に切りにいこうかと考えたとき、玄関のドアが開いた音がした。



「優帆ー」



玲都だっ。


あたしは急いで部屋から荷物を持ち出し、彼の待つ玄関へ向かった。



「玲都ーっ。おはよ!」


「おはよ」



彼の爽やかな笑顔を見て、今日も一日がスタートした。
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