a little love.
「16年来の関係が、こんなんで崩れると思う?」



え……。


あたしと玲都のことでしょう?


だから……。



「崩れかけてるんだってばっ!」



あたしの大きい声にも、表情ひとつ変えないでいる果依。



「そうなの?」



あの……。果依……。



「あたしの話聞いてたよね? わかるでしょ、この状況っ」



果依の腕を掴んでいた手で彼女を揺さぶり、訴えてみる。



「わかんないことはない。……けど、崩れてるというより、すれちがってるだけじゃない」


「何が、どういうふうに?」



すれちがってるって?


あたしはちゃんと、玲都と話したくて。


それでしつこくなっちゃって、怒らせちゃった。


きっと、崩れてく。


そんなの嫌だけど……。今の状況を受け止めるしかないじゃない。



「これは、倉橋の嫉妬ね」


「……ん?」
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