a little love.
嫉妬……?



「……え、違うでしょ。嫉妬って、付き合ってる人同士が、しちゃうんだよね?」



真剣に言ったのに、果依……、呆れてる、のかな。



「優帆って、そこまで天然だったっけ? てかこうなったらバカでしかないね」



なんで!



「天然じゃないよっ。バカかも知れないけどさ」


「はいはい。……で? 彼、帰っちゃうよ? いいの?」


「え、えっと……」



果依に助けてもらおうとしたけど、何も解決しなかった。


あたしが悪口言われただけじゃん……!



「早く追いかけなよ」



そう言って果依は、あたしの背中を押してくれた。


振り向くと、手を振られて。


もう、こうなったら行っちゃえ!


一緒に帰りたいもん!



「玲都!」



玄関で追い着くと、玲都は下駄箱に寄りかかっていた。


そして……。



「遅ぇよ、ばーか」



またバカって言われた!


だけど、待っていてくれたことが素直に嬉しくて、思わず抱きついてしまった。



「玲都ぉ」


「ちょっ……バカやめろっ」



本当、あたしってバカだ。


どうしてこんなところで……。



「ご、ごめんねっ」



あたしは玲都から離れて、自分の外靴を取りに行った。


学校指定の、ローファー。


玲都もあたしのあとを追って、外へ出ると、今度は横に並んだ。


そして、あたしの手に温かい感触が触れたと思ったら、玲都から手を繋いでくれた。



「玲都……」



びっくりして名前を呼んじゃったけど、彼があまりにも普通の声で「ん?」って言うから、これ以上何も言えなかった。
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