a little love.
「じゃあ、行こうか」



パパがエンジンを付けながら言って、発車した。


楽しみだな。バーベキューとか、海とか。


さっき荷台には花火も積んであったし……。



「楽しみか?」



ひとりでうきうきしていると、そんなあたしを見かねてか、玲都が言った。



「うん。すっごい楽しみ」



だから、笑顔で返すと玲都も笑ってくれた。



「そっか」



なんだか笑ってくれたことに安心して、昨日まで悩んでいた自分がバカに思えた。


普通に話せてるじゃん、何を躊躇っていたんだろうって。



それから他愛もない話をしながら揺れる車内で数時間過ごした。


目的地の海に着いたのは、もうお昼近く。


バーベキューにはちょうどいい時間帯かもしれない。



「んー………きれい……」



車に長時間座っていたことから、海風を浴びながら体を伸ばした。


海が、この快晴の空に負けないくらい青く澄んでいて、とてもきれいだった。


さっき積んできた荷物を今度は降ろして、海の眺めがいいところにテントを張った。


お肉を焼く台もセットしていよいよ焼き始めた。
< 24 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop