a little love.
「だからさ、あの日優帆が言ったことの意味がわかって、俺じゃダメなんだって思った」



あの日って……。


あたしが日直だった日?


あの日のあたし、今の怜都と同じ事言ってる……。


無理して一緒にいなくてもいい、って。



「ねえ、ちょっと待って。あたし、確かに告白はされたけど、付き合ってないよ? 彼氏、いないよ?」



だって、あたしが彼氏として望むのは、あなたしかいない。


考えられないもの。



「どこまで聞いてた? どこまでみてた?
途中で帰っちゃったんでしょう? 告白された後、抱き締められた後、あたしね、好きな人がいるって言ったの。断ったの」



怜都は、あたしの肩に頭を置いて俯いている。



「だってあたし、怜都が好きなんだよ? こんなに好きなのに……どうして一緒にいちゃいけないの?」


「優帆……」



怜都の濡れた髪がくすぐったい。


鎖骨あたりにある彼の手を握って、どつたわりますよ伝わりますように。そう願い続けた。



「俺、最後まで見てなかった。真実は違っていたんだね。……ありがとう」



こんな格好だから、怜都と向かい合って話せないけど、伝わったかな。


あたしの想い……。
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