a little love.
学校についても、あたしたちはクラスが同じだから一緒にいられる。


だけど席は遠いから、教室に入るともう別行動。


あたしは自分の席に座ると、親友が駆け寄ってくる。


長澤果依。中学からの大親友。



「ゆーうほっ。おはよ」



背が高くて、ショートヘアの果依はあたしのお姉さんみたいな頼れる人。



「おはよーっ」


「優帆、ポニーテールいいね」


「ほんとー? さっき、玲都に結べって言われたから」


「相変わらず仲いいわね」



当たり前だよ。玲都とは、ずっと一緒なんだから!



「優帆はさ、倉橋のこと好きじゃないの?」



倉橋って、玲都の名字。



「……? 好きに決まってるじゃん?」



普通に答えたんだけど、果依は軽くため息をついて、何でもない、と言った。



「それじゃあ倉橋も大変ね」



こんなことも言ってた。



「門田ー」



今度はあたしの名字が呼ばれた。声のした方を見ると、担任がいて。



「あたし、日直だった!」



果依にそれだけ言うと、先生のもとへ小走りで向かった。
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