双華真月 ~ラグナル防衛大戦争~
ーーーギー……ガシャン!
門は無事開いた。
幸い、門は何事も無かったようだ。
あの魔神がバカで良かったものだ。
魔神カボイラ。。
実力は俺とコルマを凌駕していた。
たが、やつには穴があった。
自分の武器についての知識に劣っていたのだ。
だが、次の相手もそおとは限らん。
気を引き締めて目を開けようとする。
が………
「……?なんだ?」
突然コルマに肩を叩かれ問いかける。
だが、コルマから発せられたのは重々しい口調だった。
「目を開けるなら覚悟して開けろ」
覚悟だと?
疑問で頭が一杯になる。
とにかく開けよう。じゃないと始まらん。
「………っ!?」
な、、なんだこれは……。
俺は……思いがけないものを目にした。
「これが魔神か」
コルマの言葉になんも反応できない。
それだけ恐ろしいものだった。
目を開けたとき……大量の死骸を目にした。
ホルターン村に続く道にはラスカール王国の兵士であろう人々の残骸なのだ。
……これが魔神の……。
どこを見ても死骸ばかり。
恐らく万代数はあるだろう。
「コルマ、行くぞ」
「ああ」
コルマの口調がやけに冷静だ。
それもそうか。こいつの生まれはカルバン王国。
かつてはアゼラン帝国と戦争が激化し、物心ついたときから死骸を大量に見たと聞いている。
その戦争のせいで…居場所を失いカルバン王国も殲滅され少ない生き残りがコルマだ。
……とにかく進もう。
この先にどんな魔神が居るのか分からない。
だが、だからといって退く気はない。