双華真月 ~ラグナル防衛大戦争~
「コルマ」
「なんだ?」
ホルターン村に続く道を歩いてふと思ったのだ。なにかがおかしい。
「俺の勘違いならいいんだが。
生命がちらほらあるきがするんだ」
「………」
「……コルマ?」
「走れ!ロディン!」
なっ!急に……
「どしたんだ!」
そう問いかける俺にコルマは左後ろに目をやる。
みた俺は信じられなかった。
……動いてやがる。これが正体か。
だが、なにかが変だ。
「確かに俺も生命力を感じた。
だが、奴等は死んでいる」
「てことは、奴等は操られてるってことか!」
あり得ん。死んだものを操る力。
そんなの俺は聞いたことないぞ!
「とにかく走るぞ!」
そう叱咤して走るコルマに続いて走る。
……これも魔神の力だと言うのか!
いや、それでも。。
この世界で生命復活術など出来ないはずだ!
ひたすら走る。ホルターン村の門に向かって。
たが、そんな俺達の目の前に死んだ魚の目をした兵士達が立ち塞がる。
くそ…!
ーーージュパーン!
本意ではないが斬るしかねえ!
コルマもそう判断したんだろう。
立ち塞がる兵士達を凪ぎ払って走る。
門までもうすぐだ!
ーーーグッ!
………っ!
なっ、捕まれた!
走りながら斬り伏せていたのが災いしたのか俺の足に死骸の兵士が掴んでいる。
「この……離せ!」
斬る!そう思ったがその剣が動かん。
……なっ!
知らぬまに他の死骸が俺の腕を掴んでいた。
感触がねえ!どおいうことだ!
「ロディン!」
コルマが叫んでいる。
そして走ってくる。
バカか。なんで来る!こんなもん!
「クソが!」
力任せに死骸を蹴り飛ばし斬る。
たが、包囲されている為か容易には振りきれない。
ーーーこんなことで!
足を止められる訳にはいかない。
ここで死ぬほど柔じゃねえんだよ!
「伏せてー!」
上空?から伏せろと声がした。
その言葉は何故か信じれた。
思うまもなく伏せる。
すると上空から僅かながら力が感じ取れた。
ーーービシューン!!
ーーーズバズバズバーン!
凄い音を立てて間もなくすると周りの死骸、これはゾンビと呼ぶべきだな。
そのゾンビ達がどんどん倒れていく。
……包囲網は完全に崩れていた。