双華真月 ~ラグナル防衛大戦争~
「やっほー!ロデ兄(にい)」
声がする。それも聞き覚えがある声だ。
「お前……セドリック!」
見ると俺とコルマの目の前に背の小さい少年が立っていた。
セドリック・チャーリー。
かつてラスカール王国でアゼラン帝国との小競り合いで一緒に戦った戦友。
ベルタイルという大きな怪鳥に乗る元気で明るい少年だ。
「へへーん!どうだった?僕のザラちゃんとの連携パフォーマンスは!」
ザラちゃん……それは怪鳥ベルタイルの名前。。セドリックが付けた名前だ。
相変わらずな……。
「ロディン」
ギロッとコルマに睨まれる。
まあ油断したのは悪いがそう睨まれても。
「ああ。すまん」
「気をつけろ」
「ふふ」
俺とコルマのやり取りにセドリックは微笑む。頭もバカになったか?
「やっぱ名コンビだね。ロデ兄とコルマさんは」
コルマと目が合う。たがそれも直ぐ反らす。
それより。。
「セドリック、アドランは?」
その俺の言葉にセドリックは不安な表情を見せる。
「アドランは死骸の民の相手を……」
「なに!?」
俺の問いに答えようとするセドリックだったがコルマに制される。
「とにかく行くぞ。いけば分かるだろ」
それもそうだな。
「ああ」
俺の返事とともに俺とコルマはセドリックの怪鳥ベルタイル、いや、ザラの背中に乗ってホルターン村へと急いだ。