双華真月 ~ラグナル防衛大戦争~
「だから無駄だって」
何故通じん!
確かに急所は狙っている。
だが、それでも奴は煙と化し俺達の攻撃を難なく切り抜けている。
ーーーこれが魔神か。厄介な!
焦りと共に冷や汗が背筋に流れる。
「さーてと、次は俺様の番だ」
魔神カボイラはニヤニヤしながら棍棒を振り回す。
一体なにをする気だ。
魔神カボイラが棍棒を振って間もなくすると地面のレンガが外れ、棍棒の上へと集結する。
それからしばらくすると、それは玉のような形になり、黒く変色していく。
「お前達がなにをしようが無駄だってんだよ。くたばれえ?んなのてめえだ!」
吠える魔神カボイラ。
そして黒く変色した玉はどんどん大きくなっていく。
ま、禍々しい。
もはやなんでも飲み込みそうな感じだ。
これを受けたらひと溜まりもない!
しかし、阻止しようにも……
重力によって体が動かん!
「くそ!動け!ここで朽ちるわけには!」
「無駄無駄無駄無駄あああ!!
俺様の重力に逆らっても動く訳ねえだろおお!!
これで死ねえ!!黒・転・弾(こく・てん・だん)!!!!」
魔神カボイラは棍棒をこちらに向ける。
すると黒く禍々しい玉はうねりを上げてこちらに飛んでくる。
……くっ!まだまだ!
必死に動こうと重力に逆らう。
が………
うう……逆らうとこんなにも痛いのか。
激痛と共に汗が出る。
魔神にやられるってのか!?
ふざけんじゃねえ!
「俺は!ここで死ぬわけにゃあ……
いかねえんだよーーーーー!!」
そう叫び、重力に逆らい蒼雅刀を玉に向ける。激痛を伴いながら。
コルマだけじゃねえ。
ここの民だって殺させねえ!
俺だって死なねえ!
死ぬのは……
「死ぬのは貴様だ!!魔神カボイラ!!」
蒼雅刀に全神経を集中させる。
守る。皆を!そして……未来を!!
「我が牙よ!主の名により敵を穿て!
倒すはこの世の汚染物!
我は汝に問う。奴を倒せるか?」
蒼雅刀が光輝く。
俺の言葉が届いた!
ならば……
「行け!絶対的力を!奴にぃ!!!
蒼雅刀真義!
蒼覇烈攻砲(そうはれっこうほう)!!」