居酒屋学級
終わりのはじまり
ガソリンを入れた。少しこぼした。イライラしていた。
ここのところ、何かとバタバタしていた。
居酒屋をはじめて3年。「3年たてば大丈夫。」
「3年たてば落ち着いたやろ?」
「儲けてしかたないやろ?」
お客さんたちは、そんなことを言ってくる。
偉そうに。毎月、お金が振り込まれるだけで
羨ましい。
私はそう思っていた。イライラしていた。
イライラしていた。
常連さんたちに助けられているのは確かではある。ここ最近特に常連さんたちが仲良くなり、良い空気ではあった。
しかし、その空気に合わせることに疲れていたのだ。とても。
なるべく考えない様にしながら、買い出しにでて、急いで店にもどり、仕込みをする日々が続いていた。
私の店は、カウンター6席、小さなテーブルが3つある程度の小さな店で、お一人様が多いのが特徴だ。テーブルチャージはなく、サクっと呑んで帰る方も多い。
BGMはAMラジオで、椅子はバラバラ。居酒屋というか酒場、という感じだ。
仕込みを終え、18:00ギリギリに暖簾を出す。
今日もはじまった。はじまってしまった。
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