無機質な恋模様
「おはよー真理!」
4階まで上がり、廊下を進んでロッカールームへと入るやいなや、先に中にいた彩に声をかけられる。
同期で同じ総務部所属なので、必然的に社内で一番の仲良しだ。
「おはよう彩」
「んもー、超強風だったよねー。髪の毛乱れまくり!」
挨拶を返しながら自分のロッカーへと向かう私に近付きつつ、彼女は会話を続けた。
「まぁ、台風が接近してるらしいから仕方ないんだけどさ」
「えっ。うそ!」
「ホントホント。といっても、日本列島直撃ではないけどね。九州地方の海沿いをかすって行くかんじ?」
彩は疑問系の自分の言葉に連動させて小首を傾げた。
「それでもやっぱりそれなりに影響があって、お昼過ぎから夕方にかけてがピークらしいよ」
「そうなんだ…」
ついつい天気予報をチェックするのを忘れてしまって、その情報は把握していなかった。
「あ」
『忘れる』というキーワードによって私は唐突にあることを思い出す。
「しまった!今日『エリカ』が久々に音楽番組に出るのに、録画予約してない~」
「あ、ファンクラブに入ってるってやつ?」
「うん。19時からの生放送で、どのタイミングで歌うか分からないんだよ。携帯のワンセグだと移動中ちょいちょい電波が途切れるし…」
「固定のテレビじゃないと厳しいよね。定時と同時にダッシュで帰れば?」
大きく頷きながら私は続けた。
4階まで上がり、廊下を進んでロッカールームへと入るやいなや、先に中にいた彩に声をかけられる。
同期で同じ総務部所属なので、必然的に社内で一番の仲良しだ。
「おはよう彩」
「んもー、超強風だったよねー。髪の毛乱れまくり!」
挨拶を返しながら自分のロッカーへと向かう私に近付きつつ、彼女は会話を続けた。
「まぁ、台風が接近してるらしいから仕方ないんだけどさ」
「えっ。うそ!」
「ホントホント。といっても、日本列島直撃ではないけどね。九州地方の海沿いをかすって行くかんじ?」
彩は疑問系の自分の言葉に連動させて小首を傾げた。
「それでもやっぱりそれなりに影響があって、お昼過ぎから夕方にかけてがピークらしいよ」
「そうなんだ…」
ついつい天気予報をチェックするのを忘れてしまって、その情報は把握していなかった。
「あ」
『忘れる』というキーワードによって私は唐突にあることを思い出す。
「しまった!今日『エリカ』が久々に音楽番組に出るのに、録画予約してない~」
「あ、ファンクラブに入ってるってやつ?」
「うん。19時からの生放送で、どのタイミングで歌うか分からないんだよ。携帯のワンセグだと移動中ちょいちょい電波が途切れるし…」
「固定のテレビじゃないと厳しいよね。定時と同時にダッシュで帰れば?」
大きく頷きながら私は続けた。