無機質な恋模様
私は青いやつの新しいのを箱から出すと、古い方と入れ違いにてっちゃんに渡した。
『ちゃんと『カチン』て音がするまでやってね!』
「分かってるよ~」
てっちゃんの命令に苦笑しつつ答えた。
一度ミスしたからなのか、今日の彼は何だかちょっぴり厳しめで威張りんぼ。
まるで気難しい王子様に仕えるメイドの気分だ。
ひとまず、一種類目の必要な数は揃った。
なので今度は別の種類の制作をお願いする。
「あ、仕上げに角を丸くしなくちゃいけないんだった…」
完成品の向きを整えつつ私は呟いた。
「四角いままだと、ファイルを出し入れしてるうちに端がめくれちゃったりするんだよね」
『お腹の横に当ててくれれば、ぼくがちょっきんしてあげるよ』
「うん。頼むね」
てっちゃんの言葉に私は笑顔で答えた。
それはそれはキレイにカットしてくれるんだよね。
私達が自分でやったらとてもじゃないけどあんな仕上がりにはならない。
余計な時間もかかってしまうし。
そんな技術まで持ってるなんて、てっちゃんはホントすごい子だ。
するとその時、室内にコンコンとノックの音が響き渡った。
「は~い」
「やっほー」
ドアを開け、ひょっこり姿を現したのは、同じ課の一年先輩の靖子さん。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ~。真央ちゃん、お茶休憩は取った?」
『ちゃんと『カチン』て音がするまでやってね!』
「分かってるよ~」
てっちゃんの命令に苦笑しつつ答えた。
一度ミスしたからなのか、今日の彼は何だかちょっぴり厳しめで威張りんぼ。
まるで気難しい王子様に仕えるメイドの気分だ。
ひとまず、一種類目の必要な数は揃った。
なので今度は別の種類の制作をお願いする。
「あ、仕上げに角を丸くしなくちゃいけないんだった…」
完成品の向きを整えつつ私は呟いた。
「四角いままだと、ファイルを出し入れしてるうちに端がめくれちゃったりするんだよね」
『お腹の横に当ててくれれば、ぼくがちょっきんしてあげるよ』
「うん。頼むね」
てっちゃんの言葉に私は笑顔で答えた。
それはそれはキレイにカットしてくれるんだよね。
私達が自分でやったらとてもじゃないけどあんな仕上がりにはならない。
余計な時間もかかってしまうし。
そんな技術まで持ってるなんて、てっちゃんはホントすごい子だ。
するとその時、室内にコンコンとノックの音が響き渡った。
「は~い」
「やっほー」
ドアを開け、ひょっこり姿を現したのは、同じ課の一年先輩の靖子さん。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ~。真央ちゃん、お茶休憩は取った?」