ずっとお前を待ってるから
ライバル関係?
季節は少し蒸し熱くなってきた初夏。教室はてんやわんやと慌てる子達で溢れかえっていた。
「ちょっと、柚那逃げないでよ〜っ!」
「絶対に嫌…!!」
ただいま私は絶賛逃走です。足の速い海が後ろから追い掛けてくるその勢いに恐怖を纏いながらも学校中を走り回る。
「ねえー!これ着てもらわなきゃ困るんだけど〜!」
「嫌なものは嫌…!!」
海の手には赤と青の色をしたワンピース。もう片手にはりんごらしき物を持ってもうすぐそこまで迫っていた。
「観念しなよ〜!…あ」
「絶対に着な、きゃあ…っ!」
「おっと、あっぶねえ」
走りに夢中になりすぎて前が見えてなかった。それが私に運命の分かれ道だった。
「私急いでるか…っ!」
「誰に追われて…なるほど」
「…あ」
彼と鉢合わせたのがまずかった。私はさも楽しそうな顔をする二人の男女に呆気なく捕まり泣く泣くワンピースを見に纏う事となる。
「…」
「なんでそんなに嫌がるのよ?」
「だって…」
不貞腐れる私の顔を呆れたようにため息を吐いて見る。突如上がった黄色い声と共に私に突き刺さる鋭い視線。
「可愛いじゃねえか」
「…なんで冬二が王子様役なのよ…っ!」
そう、今は学校祭の準備の真っ只中。何故か私達のクラスは劇になり゛白雪姫゛になってしまいクラスの人気者になっていた冬二が王子様役。そして、私はその冬二が指名した事により白雪姫役なってしまった。
「本当に…帰りたい」
「俺は、お前が劇に出ねえんなら出ねえからな」
「それは駄目よ!緑下君!」
これは、正しく戦争とも言うべきかこの学校には出し物で優勝すると焼肉店の無料券がそのクラスに配布される。それのおかげでこのクラスもまた無料券を獲得する為に燃えに燃えていた。
「ちょっと、柚那逃げないでよ〜っ!」
「絶対に嫌…!!」
ただいま私は絶賛逃走です。足の速い海が後ろから追い掛けてくるその勢いに恐怖を纏いながらも学校中を走り回る。
「ねえー!これ着てもらわなきゃ困るんだけど〜!」
「嫌なものは嫌…!!」
海の手には赤と青の色をしたワンピース。もう片手にはりんごらしき物を持ってもうすぐそこまで迫っていた。
「観念しなよ〜!…あ」
「絶対に着な、きゃあ…っ!」
「おっと、あっぶねえ」
走りに夢中になりすぎて前が見えてなかった。それが私に運命の分かれ道だった。
「私急いでるか…っ!」
「誰に追われて…なるほど」
「…あ」
彼と鉢合わせたのがまずかった。私はさも楽しそうな顔をする二人の男女に呆気なく捕まり泣く泣くワンピースを見に纏う事となる。
「…」
「なんでそんなに嫌がるのよ?」
「だって…」
不貞腐れる私の顔を呆れたようにため息を吐いて見る。突如上がった黄色い声と共に私に突き刺さる鋭い視線。
「可愛いじゃねえか」
「…なんで冬二が王子様役なのよ…っ!」
そう、今は学校祭の準備の真っ只中。何故か私達のクラスは劇になり゛白雪姫゛になってしまいクラスの人気者になっていた冬二が王子様役。そして、私はその冬二が指名した事により白雪姫役なってしまった。
「本当に…帰りたい」
「俺は、お前が劇に出ねえんなら出ねえからな」
「それは駄目よ!緑下君!」
これは、正しく戦争とも言うべきかこの学校には出し物で優勝すると焼肉店の無料券がそのクラスに配布される。それのおかげでこのクラスもまた無料券を獲得する為に燃えに燃えていた。