イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
そうだ、いい作戦があったじゃない!

愛妻弁当作りも、奥様の立派なお仕事。部長にお弁当を作ってあげたら、“結婚っていいな”って思ってもらえるかも!?

ぱぁっと表情を明るくする単純な私に、本庄さんは怪訝そうな視線を向ける。


「なに、今まで作ってあげてなかったの? 料理下手で男捕まえられるなら、その方法伝授してほしいんだけど。私、お弁当作りたいとは言ったもののあんまり得意じゃないから」

「いや、料理はできます!」


妻が料理下手だと思われたら部長のメンツに関わりそうな気がするし、何より誤解されるのはちょっと心外なので否定しておいた。

明日仕事が終わったら、男性用のお弁当箱を買いに行こうかなと考えていると、ビールに口をつけた本庄さんがクスッと笑う。


「なんかあなた達って、本当に結婚してる感じがしないわよね」

「へっ!?」


ギクリとして、表情を強張らせる。ヤバい、うまくやり過ごさねば……!

「そ、そうですかぁ~?」と渇いた笑い混じりに言いながら、正面を向いて両手で持ったグラスを口へ運ぶ。


「新婚さんなら、もっと幸せオーラが出てもいいはずなのに。ちゃんとエッチしてるの?」

「ぶほっ!!」


彼女の赤裸々な一言で、飲んでいたカクテルがおかしなところに入り、むせてしまった。

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