イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「坂本さんともっと話したいと思ってたんだよね。同期なのに、今まであんまりそういう機会なかったじゃん?」


たしかに……うちの会社は、他部署の人と仕事以外ではあまり接する機会がない。あるとすれば、全社員で行う年一回の忘年会くらいだ。

その集まりの中で、私達は何度か話したことはあるものの、親しいと言えるほどの関係にはなれていなかった。

早乙女くんってすごく優しそうだし、いい友達になれそうな気がする。同期で頼れる人がいてくれたら、やっぱり心強いし。

私も笑顔を向け、快く返事をする。


「そうだよね。じゃあ一緒に食べよっか?」

「ん、そうしよ」


嬉しそうに笑う早乙女くんは、本当に可愛らしくて見ていて和む。

ほんわかムードを漂わせながら、私達は会社から徒歩三分のところにある公園へ向かった。



ジャングルジムや滑り台、テニスコートくらいの広さの芝生がある、小さな公園。

平日のお昼時だから子供はいないけれど、私達と同じようにランチタイムを過ごす、サラリーマンやOLの姿がちらほらある。

木陰のベンチに並んで座り、私はバッグからお弁当を取り出して、ぱかっとフタを開けた。

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