イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
目を見れず、お弁当に視線を落としていると、彼は苦笑しながら驚くべき発言をする。


「ちょっとショックだったよ。坂本さんのこと、入社した時から気になってたから」

「………………えっ!?」


数秒の間を置いて、私はバッと隣を振り向いた。

“入社した時から気になってた”……!? って言われると、私に気があったみたいに取れるけど、絶対そんなことはないよね?

早乙女くんは普通にもぐもぐと食べているし、やっぱり深い意味はない、か。

一瞬動じてしまった気持ちを落ち着けながら、私はへらっと笑う。


「もう、早乙女くんってば、またまたご冗談を」

「本当だよ? 坂本さん可愛いなって、ずっと思ってた」


そう言って、彼がとろけるような笑みを向けるから……胸が鳴ってしまうのは仕方がないと思う。


「営業部に来るって聞いて、これから仲良くなれるかもって期待してたんだけど……ほんと残念」


口角は上がっているけれど、落胆したように目を伏せる彼。

まさか、早乙女くんは本当に私に好意を持ってくれていたの? そんなこと、考えもしなかった……。

予想外のことでぼうっとしてしまう私に、はっとした様子の早乙女くんは慌てて謝る。


「あ、ごめん。困らせるつもりじゃなかったんだけど」

「ううん! あの、その……私こそ、ごめんなさい……」

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