イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
ひゃぁ!と声を上げそうになった瞬間、彼は何かを払うようにぽんぽんと肩を叩く。
「ここ、汚れてるぞ」
「へっ!?」
マヌケな声を出した私は、バッと肩を見やった。部長が言った通り、ホコリのようなものがついて黒く汚れている。
な、なんだ、これを取ってくれたのか……びっくりした!
「ほ、ほんとですね……! さっき棚にぶつけた時かな」
勝手にドキッとしてしまった自分が恥ずかしくて、それを悟られないように、もう汚れが落ちた服をいつまでも払っていた。
すると部長が、今の流れでさっきのことを思い出したように言う。
「しかし、サカえもんが鍵掛けないような浅はかな人でよかったよ。ま、掛けててもぶち壊してたけど」
また栄さんの嫌味を……一応お得意様なのに。
苦笑いしつつ、ドアを壊してまで助けようとしてくれていたのだと思うと、やっぱり嬉しい。けれど。
「今日のことは本当に感謝してます。けど、あの……部長は私達の噂、知ってるんですか?」
上目遣いで彼のシャープな顎のラインを見上げ、遠慮がちに問い掛けた。
実は、ブラック上司の噂と一緒に、もうひとつ流れ込んできたのだ。私が営業部に来た直後から、誰かが言い出したらしい。
“坂本 零士と一葉は、密かに結婚しているんじゃないか”……と。
「ここ、汚れてるぞ」
「へっ!?」
マヌケな声を出した私は、バッと肩を見やった。部長が言った通り、ホコリのようなものがついて黒く汚れている。
な、なんだ、これを取ってくれたのか……びっくりした!
「ほ、ほんとですね……! さっき棚にぶつけた時かな」
勝手にドキッとしてしまった自分が恥ずかしくて、それを悟られないように、もう汚れが落ちた服をいつまでも払っていた。
すると部長が、今の流れでさっきのことを思い出したように言う。
「しかし、サカえもんが鍵掛けないような浅はかな人でよかったよ。ま、掛けててもぶち壊してたけど」
また栄さんの嫌味を……一応お得意様なのに。
苦笑いしつつ、ドアを壊してまで助けようとしてくれていたのだと思うと、やっぱり嬉しい。けれど。
「今日のことは本当に感謝してます。けど、あの……部長は私達の噂、知ってるんですか?」
上目遣いで彼のシャープな顎のラインを見上げ、遠慮がちに問い掛けた。
実は、ブラック上司の噂と一緒に、もうひとつ流れ込んできたのだ。私が営業部に来た直後から、誰かが言い出したらしい。
“坂本 零士と一葉は、密かに結婚しているんじゃないか”……と。