イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
自ら買って出るなんてさすがだな、と感心したのもつかの間、部長は硬い表情のまま口を開く。
「早乙女には新商品を頼んでるだろ。そっちが手薄になったら意味がない。他の皆も同じだ。それぞれが重要な持ち場を与えられてんだから」
その言葉に、早乙女くんも皆も黙り込んだ。
部長の言う通り、明日はそれぞれが別の持ち場を担当することになっている。当の部長も会場全体を総括するのだし、引っ切りなしに訪れる得意先の皆様へ挨拶もしなければいけないのだから、もちろん手が空くわけがない。
どうするべきか……と悩む中、私はふいに視線を感じて目をやった。
口元に手をあてたままの部長が、なぜか私に先鋭な眼差しを向けている。
「……坂本」
「は、はい!?」
目が合った直後、名前を呼ばれて反射的に背筋を伸ばした。皆の視線も私に集中する。
こんな時に何のご用かと思ったら、彼の口から思わぬ言葉が飛び出した。
「お前が担当してくれないか?」
…………私の全機能が一時停止。
遅れて脳が理解した瞬間、目を見開いた私は、ガタッと椅子を押しのけ立ち上がった。
「ぇえぇーーっ!? わ、私が!?」
叫び声を上げる私と同じように、皆も驚きを隠せないようだ。
それもそのはず。だって、まだ異動して一ヶ月そこそこのただの事務員に、営業マンと同じ仕事を任せようとするなんて!
「早乙女には新商品を頼んでるだろ。そっちが手薄になったら意味がない。他の皆も同じだ。それぞれが重要な持ち場を与えられてんだから」
その言葉に、早乙女くんも皆も黙り込んだ。
部長の言う通り、明日はそれぞれが別の持ち場を担当することになっている。当の部長も会場全体を総括するのだし、引っ切りなしに訪れる得意先の皆様へ挨拶もしなければいけないのだから、もちろん手が空くわけがない。
どうするべきか……と悩む中、私はふいに視線を感じて目をやった。
口元に手をあてたままの部長が、なぜか私に先鋭な眼差しを向けている。
「……坂本」
「は、はい!?」
目が合った直後、名前を呼ばれて反射的に背筋を伸ばした。皆の視線も私に集中する。
こんな時に何のご用かと思ったら、彼の口から思わぬ言葉が飛び出した。
「お前が担当してくれないか?」
…………私の全機能が一時停止。
遅れて脳が理解した瞬間、目を見開いた私は、ガタッと椅子を押しのけ立ち上がった。
「ぇえぇーーっ!? わ、私が!?」
叫び声を上げる私と同じように、皆も驚きを隠せないようだ。
それもそのはず。だって、まだ異動して一ヶ月そこそこのただの事務員に、営業マンと同じ仕事を任せようとするなんて!