イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「乳製品、ですか」

「そう。紹介するのはチーズとヨーグルトくらいだから、そんなに種類多くないだろ」


微妙な笑みを作り、「ま、まぁ……」と曖昧な返事をする私。部長は簡単に言うけど、私にとっては重圧であることに変わりないんだから。

でもやるしかない!と気合いを入れる私に、部長はパンフレットを見せながら明日の対応について教えてくれる。


「改良をしたものは、従来と比べてどこが変わったのかを説明してもらいたいんだ。新商品は、その利点についての説明を」


次々と話される重要な点を、ふむふむと聞きながらメモしていく。

私が持っている知識は、一袋何グラム入りだとか、バラ売りに対応できるとか、やっぱり受注に関することが主。部長が教えてくれる商品の特徴や内容については知らないことが多かったから、単純にタメになった。

丁寧に教えてもらい、すべてのパンフレットも手に入れると、私は小さくガッツポーズをしてみせる。


「よしっ。とりあえず一夜漬けします」

「おう、頑張れ」


さらっとエールを送り、薄く笑みを浮かべる彼は、他のテーブルの方へ向かおうとする。

本当は明日のこと以外にも聞きたいことがあるけれど……今は忙しそうだからやめておこう。私も、今教えてもらったことを頭に叩き込まなきゃいけないし。

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