イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
あれは、もう一年以上前になる。たしか購買部にやってきた部長が、綺麗だけど無表情なお顔で、突然私に声をかけてきたのだ。
『老人ホームであった発注ミス、君が対応したんだってな』
唐突だったけれど、何のことかはすぐにわかった。
というのも、老人ホームから送られてきた発注書に書かれた数が、普段の発注数より一桁多く書かれていて。もしかしたら発注ミスかもしれないと思い、施設に連絡をするとやっぱり間違いだったのだ。
大量の食材を送る前に訂正することができたのだけど、それが何か問題だったのだろうか。
恐る恐る部長を見上げて『はい……?』と頷いたものの、次に彼から言われたのは、予想に反して嬉しいものだった。
『君のおかげで余計な発注をしなくて済んだと、責任者が礼を言っていたよ。ベストな対応をしてくれてありがとう』
そう言ってふわりと生まれた優しい笑顔は、必然的に私の胸を鳴らしたほどで、今でもしっかりと心に焼き付いている。
私と同じようにその時のことを思い出しているのか、部長は穏やかな表情をしていた。
「あの件以来、購買部に行く時は一葉に注目してた。取引先との電話のやり取りをこっそり聞かせてもらったりもしたよ」
「えぇっ!?」
うそ、いつの間にそんなことを!?
『老人ホームであった発注ミス、君が対応したんだってな』
唐突だったけれど、何のことかはすぐにわかった。
というのも、老人ホームから送られてきた発注書に書かれた数が、普段の発注数より一桁多く書かれていて。もしかしたら発注ミスかもしれないと思い、施設に連絡をするとやっぱり間違いだったのだ。
大量の食材を送る前に訂正することができたのだけど、それが何か問題だったのだろうか。
恐る恐る部長を見上げて『はい……?』と頷いたものの、次に彼から言われたのは、予想に反して嬉しいものだった。
『君のおかげで余計な発注をしなくて済んだと、責任者が礼を言っていたよ。ベストな対応をしてくれてありがとう』
そう言ってふわりと生まれた優しい笑顔は、必然的に私の胸を鳴らしたほどで、今でもしっかりと心に焼き付いている。
私と同じようにその時のことを思い出しているのか、部長は穏やかな表情をしていた。
「あの件以来、購買部に行く時は一葉に注目してた。取引先との電話のやり取りをこっそり聞かせてもらったりもしたよ」
「えぇっ!?」
うそ、いつの間にそんなことを!?