イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
お互いの予定が合うのは、すでに十月も下旬に差し掛かっている今日くらいで、私はこの日を心待ちにしていたのだ。
滅多にお目にかかれない彼の私服姿にも、休日にふたりで遠出しているという特別感にもドキドキしっぱなしで……確実に浮かれています、私。
「十一時半には着くな。昼飯は何が食いたい?」
部長がちらりと腕時計を見て問い掛けた。なんかすごいデートっぽい!と内心はしゃぎながら、またゲームのようにいくつかの選択肢を頭に浮かべ、少し考えて答える。
「やっぱりイタリアンですかね。でも、部長のオススメがあればそれで」
「俺は出張で来るくらいだから、お前が喜びそうなとこ知らないぞ」
淡々と返されたけれど、私が喜びそうなところを選んでくれようとしているというだけで嬉しい。浮かれていると、考えまでポジティブになるみたいだ。
含み笑いしつつ、本音をこぼす。
「どこでもいいんです。定食屋でもラーメン屋でも」
“部長と一緒にいられれば、どこでも”
……という一言は飲み込んだ。恥ずかしすぎるし、恋をしているのがバレバレだ。
すると、前を見たままの部長から聞こえてきたのは、少しだけ不満げな声。
「俺もお前の好きなモン知ろうとしてんのに、そんなつまんねぇこと言うなよ」
滅多にお目にかかれない彼の私服姿にも、休日にふたりで遠出しているという特別感にもドキドキしっぱなしで……確実に浮かれています、私。
「十一時半には着くな。昼飯は何が食いたい?」
部長がちらりと腕時計を見て問い掛けた。なんかすごいデートっぽい!と内心はしゃぎながら、またゲームのようにいくつかの選択肢を頭に浮かべ、少し考えて答える。
「やっぱりイタリアンですかね。でも、部長のオススメがあればそれで」
「俺は出張で来るくらいだから、お前が喜びそうなとこ知らないぞ」
淡々と返されたけれど、私が喜びそうなところを選んでくれようとしているというだけで嬉しい。浮かれていると、考えまでポジティブになるみたいだ。
含み笑いしつつ、本音をこぼす。
「どこでもいいんです。定食屋でもラーメン屋でも」
“部長と一緒にいられれば、どこでも”
……という一言は飲み込んだ。恥ずかしすぎるし、恋をしているのがバレバレだ。
すると、前を見たままの部長から聞こえてきたのは、少しだけ不満げな声。
「俺もお前の好きなモン知ろうとしてんのに、そんなつまんねぇこと言うなよ」