イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
少し街中を散策していて、目についたのは海側にあるテラス席。とっても眺めが良さそうで、そのレストランに入ってみることにした。
ハワイをイメージしているらしい、まるでテーマパークのような店内を通りテラスに出る。開放感たっぷりのそこからは東京湾が一望できて、素敵な景色に感嘆の声が漏れた。
「わぁ、いい眺め……! 夜ならもっと綺麗なんだろうなぁ」
「夜景見てから帰るか」
喜ぶ私を微笑ましげに見る部長の嬉しい一言に、笑顔で「はい!」と元気な返事をした。
注文してたわいない話をしながら待ち、お互いに頼んだランチセットが運ばれてくると、さっそくフォークを手に取った。
好きな人とふたりで、ということに加え、風とほどよい太陽の日差しを感じながら食べる食事はまた格別で、リゾート気分を味わえる。
「美味しい~! ハワイの料理ってあんまり食べたことなかったけど、結構いけますね!」
プレートに添えられた、アヒポケという料理の鮪に舌鼓を打っていると、部長が何気なくこんなことを言う。
「美味いけど、お前の手料理の方が飽きないぞ」
……あぁ、またさりげなく嬉しいことを……。
照れるとどうしても顔を隠したくなってしまい、私は俯いてパイナップルジュースをストローで吸い上げた。