イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
店員さんは嬉しそうにそれについて話し出す。
「こちら、大変人気なんですよ。マ・プランセスと言って、フランス語でお姫様という意味の名前がつけられています」
「へぇー」
リングはプラチナだとか、ダイヤは何カラットだとか詳しく教えてくれて、私はひたすら頷く。
「お客様ですと、サイズは八号くらいですかね。嵌めてみますか?」
「あっ、いえ! 見ただけで十分なんで」
これはさすがに断ろうと思い、両手を前に出してぶんぶんと振った。すると。
「これは男に嵌めてもらいたいんだよな」
後ろからそんな声がしたかと思うと、待ち人が隣にやってくる。いたずらっぽい笑みを浮かべる彼を見上げ、ひゃー!とのけ反った。
ひとりで結婚指輪を見ていたところを目撃されるのって、なんか恥ずかしい! “男に嵌めてもらいたい”ってのも、まぁ外れてはいないし……。
「ぶちょ……れ、零士さん! 電話終わったんですね、じゃ行きましょう!」
いたたまれなくなった私は、彼の腕を引っ張り、店員さんに頭を下げて歩き出した。零士さんに見惚れていたらしい店員さんがはっとして、「またお越しくださいませ~!」と叫ぶ。
結婚の予定ができたら来ます!と心の中で返事をし、逃げるようにその場を去った。
「こちら、大変人気なんですよ。マ・プランセスと言って、フランス語でお姫様という意味の名前がつけられています」
「へぇー」
リングはプラチナだとか、ダイヤは何カラットだとか詳しく教えてくれて、私はひたすら頷く。
「お客様ですと、サイズは八号くらいですかね。嵌めてみますか?」
「あっ、いえ! 見ただけで十分なんで」
これはさすがに断ろうと思い、両手を前に出してぶんぶんと振った。すると。
「これは男に嵌めてもらいたいんだよな」
後ろからそんな声がしたかと思うと、待ち人が隣にやってくる。いたずらっぽい笑みを浮かべる彼を見上げ、ひゃー!とのけ反った。
ひとりで結婚指輪を見ていたところを目撃されるのって、なんか恥ずかしい! “男に嵌めてもらいたい”ってのも、まぁ外れてはいないし……。
「ぶちょ……れ、零士さん! 電話終わったんですね、じゃ行きましょう!」
いたたまれなくなった私は、彼の腕を引っ張り、店員さんに頭を下げて歩き出した。零士さんに見惚れていたらしい店員さんがはっとして、「またお越しくださいませ~!」と叫ぶ。
結婚の予定ができたら来ます!と心の中で返事をし、逃げるようにその場を去った。