イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
突然のお食事会
お台場デートの数日後、ふみかにお土産を渡すため、仕事を終えてから購買部のオフィスに寄った。
就業時間を三十分ほど過ぎた今、まだ社員は数名残っていて、この間までここで働いていた私に、「久しぶり」と声を掛けてくれる。
なんだか実家に戻ったような安心感に包まれながら、すでに退社したらしいふみかの隣の人の椅子を借りて腰掛けた。そして、東京限定のお菓子やボールペンを詰めた紙袋を差し出す。
「はい、これお土産」
「わーい、ありがとう!」
ニコニコの笑顔でそれを受け取ったふみかは、すぐにニヤリと目を細め、私に顔を近付けてこそっと囁く。
「どうだったの、デートは? 告白した!? キスは!?」
「してません」
私達のことをすべて話していたふみかには、なんとなくそう聞かれるような気がしていたから即答した。彼女の顔は一瞬にして仏頂面に早変わり。
「何でしないのよー。好きになったんでしょ?」
「だからって、そんなすぐに告白できるわけないじゃん」
「逆プロポーズしといてよく言うねぇ」
呆れたように言われて、うっと声を詰まらせる。
そういえば、前にもふみかに似たようなことを言われて黙らせられたっけ……デジャヴュか。