イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
ヨシさんのグラスにビールを注ぎながら、お母様が少し眉を下げて微笑む。


「私達が会いたくなって、零士に無理言って連れてきてもらっちゃったの。本当にごめんなさいね」


私は笑って首を横に振る。最初は戸惑ったけれど、こんなふうに快く私を迎えて、もてなしてくれて、嬉しくないはずがない。


「いえ! 呼んでいただいてすごく嬉しいです。私も、まさか部長のお父様がヨシさんだとは……」

「運命、感じちゃうよなぁ」


うんうんと頷くヨシさんの口から再び出た、“運命”というフレーズで、隣で黙々と食事を進めていた部長とともに、私は固まった。

そうなんですよ、私も運命を感じちゃいますけど、この部長様は迷惑にしか思っていないかも……。

微妙な空気が漂う私達に気付いているのかいないのか、ヨシさんは笑顔でこんな発言をする。


「聞いたところ零士と仲良さそうだから、そういう意味でも一葉ちゃんに会いたかったんだ。どうだい? いつでも嫁に来てくれていいよ」

「そっ、そそそそんな……!!」


思わぬお言葉に目を丸くし、手からフォークを落としそうになってしまう。

だって“いつでも嫁に”なんてそんな、そんな…………

めちゃくちゃありがたいですー! 恐縮です!

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