イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
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答えを聞くのが怖くて、部長に元カノのことを聞けないまま、一年も残り一ヶ月となった。
私といる時の彼は、からかってきたり、家政婦のように家事を頼んできたりと、相変わらず自由気ままだ。
こんなことをしているくらいだから、元カノとはヨリを戻す気はないのかも……と、心は少し穏やかになりつつある。
そんな十二月の始めの金曜日である今日、とある老舗旅館の宴会場を貸し切って、会社全体で早めのクリスマス兼忘年会が行われている。
毎年恒例のこの会は、他部署の人も役職も関係なく、皆で仲良くなりましょう!という目的があるらしいけれど、私は一通りお酌をした後は、だいたいふみかと一緒にお酒と料理を楽しんでいる。
今日も同じく、皆がお座敷を移動し合う中、右隣りに座る彼女と長机に並べられた和会席を堪能していた。
「うわ、このお肉美味しいー!」
「ほんと! この料理名、何て言ったっけ?」
茶色になった大きくてガサガサとした葉の上に乗っている、柔らかな牛肉やきのこ、ねぎなどに味噌が絡んだこの料理。
名前を思い出せず、舌鼓を打ちながら話していると、私達の間に誰かがスッと入ってきた。
「朴葉(ほおば)味噌だね。岐阜の名物だよ」
そう言って癒し系の笑みを浮かべるのは、ビールの瓶を持った早乙女くんだ。