イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「……坂本さん、無自覚でもやめてそれは」

「ん?」


ぼそりと呟かれた言葉の意味がよくわからず、首をかしげる私。早乙女くんは「何でもない」と微笑を漏らし、再び私の隣に腰を下ろした。

これもいい機会だ。彼に男心を聞いてみようかな。


「……ねぇ、早乙女くんは元カノと連絡取ったりする?」


唐突な質問をされた彼は、ビールのグラスを口に付けたまま、ぱちぱちと瞬きをする。


「なに、いきなり」

「んー、元カレとか元カノに連絡取るのって、どういう時なんだろうと思って」


私は元カレと連絡を取ったことはない。そんな必要がなかったからだけど。

だからわからないのだ、元恋人と会うのにはどういう理由があるのか。

ちらりと、いつの間にか席に戻っていた部長に目をやる。佐原部長の取り巻きの後輩達に巻き込まれている彼を見つつ、早乙女くんの声に耳を傾けた。

少しだけ考えてから口にされた彼の答えはこうだ。


「僕も、よっぽどのことがなければ連絡取ろうとは思わないかな」

「そっか……」


早乙女くんも私と同じか、と思って頷いていると、彼は「でも」と続ける。


「別れても未練があったら連絡しちゃうかもね。寂しい時とか、気心知れた人と話したくなったりするし」

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